Q1. そもそもサルコペニアとは何?
A1. 若いうちは筋肉ムキムキでも、年とともに筋肉が減っていきますよね。今まで、専門家の間では当たり前と考えられていた事が、肥満や骨折、糖尿病など さまざまな病気の原因になることがわかりました。1989年にサルコペニアという病名で呼ぶことにきめ、治療法の研究が始まったところです。
Q2. サルコペニアって、感染するの?
A2.うつりません。うつらないはずです,,, でも未知の部分が多い病気です。うつらないと思われていた病気でも、胃潰瘍や子宮頸がんのように感染症が原因と後からわかることもあります,,,
Q3. サルコペニアになると、何がいけないの?
A3. 年齢と共に、筋肉がなくなると、当然、身体を動かせなくなります。極端に言えば、寝たきりになります。すぐに寝たきりにならないまでも、動くのがおっくうになり、外出しなくなったり、うまく歩けず、転んで骨折したりします。そしていずれ寝たきりになります。
筋肉は、身体の運動を行うのみならず、実は、体の糖代謝の大半を占める臓器です。筋肉が減ることにより、インスリン感受性の悪化が起き、糖尿病や、心血管の病気、心筋梗塞や脳卒中になりやすくなる可能性があるといわれています。
近年は、「サルコペニア肥満」(sarcopenic obesity)という病態が注目されています。サルコペニア肥満とは肥満と筋肉減少を同時発症し、一見正常な体重でも肥満が存在する、いわゆる隠れ肥満です。サルコペニア肥満の方は、単なるサルコペニアの方よりも身体不安定性が高く、転倒のリスクが高いと報告されています。
A4. サルコペニアって、治るの?
Q4.筋肉を増やす方法は、高齢者でも、スポーツ選手でも共通しています。高齢者であっても、トレーニングをして、栄養をとって、ステロイドホルモンでドーピングをすれば、筋肉は増える事がわかっています。しかし、これらはすべての高齢者でできることではありません。 筋力トレーニングが自分でできるような高齢者はそもそも、サルコペニアによる弊害が少ないような元気な方ばかりです。
脳梗塞、骨折などの合併症を抱えて、筋肉が減っているような方でも、安全に有効に筋肉を増やす方法はいまだにわかっていません。
A5. 今のうちから気を付けたらいいことってある?
Q5. 若い人のうち、どのような方がサルコペニアになりやすいかや、サルコペニアの予防法などはわかっていません。過度のダイエットや運動不足の影響なのか、若い女性の方で深刻な筋量低下の報告があり、こうした方が高齢者になると重度のサルコペニアになるかも知れません。十分な運動と、タンパクの摂取が大切です。
2010-12-29