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サルコペニアの予防と治療のためのトレーニング法

サルコペニア予防のためのトレーニング(運動法)を紹介します。

 

筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)の世界では、「ビッグ・スリー(Big3)」を鍛えろ、と言う基本があります。この「ビッグ・スリー」とは、大胸筋、大腿四頭筋、広背筋を鍛えるトレーニングの事で、これらの筋肉はボリュームが多く、トレーニングの効果が出やすい筋肉として知られています。すなわち、効果的なサルコペニアの治療の対象になる、と言うことです。

 

さらに、このビッグ・スリーの中でも高齢者にとって重要な筋肉は、大腿四頭筋,すなわちふとももの筋肉です。下肢の筋力の低下はすぐに移動能力の低下、転倒・骨折を引き起こすため、生活への影響は甚大です。実際に僕の研究結果でも、骨粗鬆症性骨折患者では、上肢よりも下肢の筋量低下が著名でした(参考文献1,2)。

 

今回紹介するのは、大腿四頭筋を効果的に鍛える「スクワット」と、バランス力を鍛える「方足立ち」です。実はこれらのトレーニングはロコモーティブ・シンドローム(運動器の障害)の予防法(ロコトレ)と共通しています。日本整形外科学会の「ロコモパンフレット2013」から引用して紹介します。

スクワット (ロコモパンフレット2013より引用)
スクワット (ロコモパンフレット2013より引用)
片脚立ち (ロコモパンフレット2013より引用)
片脚立ち (ロコモパンフレット2013より引用)

注意!!   本頁で紹介した運動法は健康な方を対象としています。基礎疾患のある方は主治医にご相談・許可を得た上で行なって下さい。関節などに痛みがある方は、痛みのない範囲で行なって下さい。予防のための運動で怪我をしては元も子もありません。転倒に十分気をつけ、自信のない方は別の方に見守ってもらうなど、十分な安全を確保して行なって下さい。

自己紹介

飛田 哲朗 Tetsuro Hida

名古屋で脊椎外科医の仕事の傍ら、サルコペニアの研究をしています。

2017年-2018年 アメリカのサンディエゴに、家族連れで臨床留学しました。 

 

好きなテレビ:

未来世紀ジパング

 

池上彰さんが出る回とか、最高ですね。テレ東経済番組の面白さは安定してます。

 

好きな映画:

アメリカのSF映画。遺伝子エリートと雑草魂の葛藤がたまりません。同じアンドリュー・ニコル監督の「In Time(タイム)」もいいですね。

 

息子の難病の治療法開発を試みる銀行家の父の、実話を元にした物語。熱意と戦略がそろえば誰でも治療法開発に携われる可能性があるんですね。

Follow-up of 89 asymptomatic patients with adrenoleukodystrophy treated with Lorenzo's oil

論文のラストオーサーが父親。

 

 

NYのイタリアンレストランのある一夜が舞台。料理漫画の傑作「バンビ〜ノ!」全巻がこの1本に詰め込まれたような中身の濃さ、事件だらけです。イタリア料理好きにはたまらない数々の料理、ガーリックオイルが恋しくなります。

 

好きな飲み物:


最近はアメリカのマイクロブリュワリーと呼ばれる小規模ビール工房の地ビールにはまっています。

 

サンディエゴにあるBallast Point という醸造所のSculpin (Indian Pale Ale)というとても味が濃くてフルーティな種類のビールがお気に入りです。

 

 

 

リンク

朝日新聞、 「筋肉少なく肥満、高齢者の1割 名大、北海道の323人分析」(平成26年6月3日夕刊)

八雲町での疫学調査を取り上げていただきました。

名古屋テレビ UP! 注目ニュース「サルコペニア肥満」

2013年8月2日に放送された内容です。僕の研究を取り上げていただきました。とてもわかりやすくまとまっています。

 

リハビリテーション栄養・サルコペニア(筋減弱症)

サルコペニアのエビデンスが集積しています。勉強になります。

 

整形外科 論文ナナメ読み (JBJSなどなど)

JBJSの要約がまめに更新されています。抄読会のネタ探しにぴったりです。

整形外科医のための英語ペラペラ道場

英語論文を書く際の道しるべです。

整形外科医のブログ

整形外科臨床にとどまらず経済学にも詳しい記事が参考になります。