腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の重症度判定の伝統的なスコアです。2007年には患者立脚型評価法として、腰痛評価質問票(JOABPEQ)が作成されましたが、まだまだ腰椎JOAスコア(29点満点)は簡便であり長期成績の評価のために使用されています。
腰椎JOAスコア 29点満点
Ⅰ:自覚症状
A. 腰痛に関して
まったく腰痛はない 3点
時に軽い腰痛がある 2点
常に腰痛があるか、あるいは時にかなりの腰痛がある 1点
常に激しい腰痛がある 0点
B. 下肢痛に関して
まったく下肢痛、シビレがない 3点
時に軽い下肢痛、シビレがある 2点
常に下肢痛、シビレがあるかあるいは時にかなりの下肢痛、シビレがある 1点
常に激しい下肢痛、シビレがある 1点
C. 歩行能力に関して
まったく正常に歩行が可能 3点
500メートル以上歩行が可能であるが、疼痛、シビレ、脱力を生じる 2点
500メートル以下の歩行で、疼痛、シビレ、脱力を生じて歩けない 1点
100メートル以下の歩行で疼痛、シビレ、脱力を生じ、歩けない 0点
Ⅱ:他覚所見
A. SLR(hamstring tightnessを含む)
正常 2点
30°~70° 1点
30°未満 0点
B. 知覚
正常 2点
軽度の知覚障害を有する 1点
明白な知覚障害を認める 0点
注1)軽度の知覚障害とは患者自身が認識しない程度のもの
注2) 明白な知覚障害とは知覚のいずれかの完全脱出、あるいはこれに近いもので患者自身も明らかに認識しているものをいう
C. 筋力
正常 2点
軽度の筋力低下 1点
明らかな筋力低下 0点
注1) 被検筋を問わない
注2) 軽度の筋力低下とは筋力4程度を指す
注3) 明らかな筋力低下とは筋力3以下を指す
注4) 他覚所見が両側に認められる時にはより障害度の強い側で判定する
Ⅲ:日常生活動作
a. 寝返り動作
容易 2点 やや困難 1点 非常に困難 0点
b. 立ち上がり動作
容易 2点 やや困難 1点 非常に困難 0点
c. 洗顔動作
容易 2点 やや困難 1点 非常に困難 0点
d. 中腰姿勢または立位の持続
容易 2点 やや困難 1点 非常に困難 0点
e. 長時間坐位(Ⅰ時間位)
容易 2点 やや困難 1点 非常に困難 0点
f. 重量物の挙上または保持
容易 2点 やや困難 1点 非常に困難 0点
g. 歩行
容易 2点 やや困難 1点 非常に困難 0点
Ⅳ:膀胱機能
正常 0点
軽度の排尿困難(頻尿、排尿遅延、残尿感)-3点
高度の排尿困難(失禁、尿閉)-6点
参考
改善率 (%) = (術後点数 - 術前点数) / ( 29点 - 術前点数 ) x 100
参考文献: 井上駿一ほか 腰椎疾患治療成績判定基準 日整会誌 1986
整形外科スコアリング
関連リンク: 頚髄症判定基準(頚椎JOAスコア)
2015-11-09