アメリカのビザ申請の手順について説明します。
ポイントは、二つ。
「きちんと入国許可の期限の内に日本に帰りますよ。不法滞在、オーバーステイなんてするつもりありませんよ。」
「米国で給料もらいませんよ。不法就労はしませんよ。」
この2点を客観的、主観的にしっかりと主張して、少しでもビザ取得の確率を高めましょう。
以下はあくまでも2016年時点の情報です。米国ビザ発行可否は米国移民局の広範な裁量によるところですので、確実にビザが下りる方法、というものはありません。疑問点や不安な点があれば移民弁護士等の専門家にご相談下さい。
医学研究者の為のビザの種類
Jビザ
一般的な医学留学では、「Jビザ」という、研究者が取得するタイプのビザを取得します。研究者本人はJ-1というビザを、研究者の同行家族はJ-2というビザを取得します。Jビザを取得するにはDS-2019という受け入れ先の研究機関(大学や研究所)が発行する書類が必要になります。DS-2019の発行に必要な書類や保険等の要件は大学や研究機関によって様々なようです。J-2ビザで入国した家族は、学生ビザ(Fビザ)を取得せずとも学校に通うことができます。
Bビザ
僕の取得したビザがこちらになります。留学の受け入れ先が一定の資格を持つ研究機関ではない場合、DS-2019を発行してもらうことができません。短期間滞在して、一般病院を見学するのがこの場合にあたります。この場合はBビザ(B-1、商用ビザ;B-2、観光ビザ)で入国します。こちらは入国後6ヶ月間有効で、現地で延長申請をすることにより最大1年間滞在することができます。日本の場合査察免除プログラム、ESTAを用いて最大3ヶ月間滞在できるので、あえてBビザで入国する人は少ないと思います。その為、なぜ3ヶ月以上の滞在が必要なのか論理的に説明する準備が必要です。また、Bビザでは当然ながら米国で就労できません。滞在のための費用負担が可能であることを証明する必要があります。また無給であっても米国で働くことはできません。その為、ただの手伝いであっても、現地で病院のために働くことはせず、純粋に見学や議論を、トレーニングをして、勉強をするのみという姿勢をしめす必要があります。
ビザ取得の手順は順に下記の通りです。
1)申請書類作成、各種証明書の取り寄せ
2)申請料金支払、 面接の予約(3−4週)
3)大使館・領事館で面接し、パスポートを預ける
4) 郵送でパスポートを受け取る。(約2週)
パスポートを預ける必要があるので、海外渡航の予定が有る人は日程を調整する必要があります。スムースに手続きが進んだとしても最短2ヶ月程度はかかります。トラブルを想定して長めの日程を見込んだ方が安心です。僕の場合は、かなり早めに準備をしたので、渡米8ヶ月前に面接をしました。
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2017-08-10
留学準備のためのおすすめの書籍
2016/4/14出版、 大谷 隼一 (著)
この本が出版されてからすぐに買って読みました。最新の情報が凝縮されています。先方の秘書さんとのやり取りの例文や、ビザの情報はすぐに役に立ちました。
著者の大谷 隼一先生は僕と同じく脊椎外科医であり、留学中にお会いして苦労話を聞かせてもらった事があります。非常にアクティブな先生で海外でも積極的に活動しています。実体験に基づいた信頼できる内容です。