2011-05-01
運動器(muscloskeletal system)とは、体の動かすことに関わる身体器官の事です。サルコペニアの発生する筋肉はもちろんのこと、骨、関節(軟骨、靭帯、関節包)、末梢神経、脊髄、が運動器にあたります。
運動器の疾患を取り扱う専門科は、整形外科やRheumatologyになります。整形外科はもともとは手術治療を中心に行なう外科系診療科の一つでしたが、現代ではサルコペニアの運動療法、慢性疼痛の内服治療、ヒアルロン酸の関節注射、痛風の内服治療、関節リウマチ等に対する免疫治療など医学の発達とともに手術にとどまらない治療法の占める割合が急増しています。そのため、「整形外科」ではなく、「運動器科」と呼ぶむきもあるようです。Rheumatologyは、日本ではリウマチ科や膠原病内科にあたります。関節疾患に限らず、痛風等の代謝異常疾患や自己免疫疾患全般の内科的治療を中心に行なっています。日本のプライマリケアの現場においてはリウマチ科や膠原病内科は専門医の数が少なく、整形外科医が運動器疾患の治療の多くを担っています。
世界的な高齢化とともに、運動器疾患は高齢者のQOL(生活の質)を直接悪化させる、重要な病態であると認識され始めています。ここでは、この運動器疾患全般を簡単にまとめました。
主には2010年時点、僕が整形外科専門医試験の勉強をした際の一般的な医学水準で記載しています。up-to-dateの至っていない点もあります。ご容赦下さい。
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