2014-03-13
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの脊椎疾患に対して、神経根症状を緩和する目的で、脊柱管の中の硬膜外腔と呼ばれるスペースに背中から針を刺し、ステロイド(リンデロン® betamethasoneなど)と麻酔薬(キシロカイン® Lidocaineなど)を注入します。硬膜外ブロックとも呼ばれます。
硬膜外ステロイド注射には限られたエビデンスが存在します。
ガイドラインでは、腰椎椎間板ヘルニアに対する硬膜外ステロイド注射の推奨度はGrade C、すなわち「行なっても良い、弱い根拠に基づいている」と控えめに推奨されています。腰部脊柱管狭窄症に対する一般的な硬膜外ステロイド注射(仙骨硬膜外ブロック)は同様にGradeCの推奨度でした。
ちなみに神経根ブロック(経椎間孔注射)は短期効果を認め、GradeBでした。
急性の坐骨神経痛を有する腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症に対する硬膜外副腎皮質ステロイド薬の注入療法は保存的治療の1つの選択肢として検討する必要があります。
「腰椎椎間板ヘルニアガイドライン 改訂第2版(2011年)」
頻度は少ないですが硬膜外注射の手技に伴う合併症として、神経・血管損傷、感染、意図しない硬膜穿刺(通称デュラポン)による髄液漏、硬膜穿刺後頭痛のリスクが有ります。