サルコペニアと糖尿病なんて、関係あるの?ってお思いでしょうが、おおありです。
筋肉は、身体の運動を行うのみならず、実は、体の糖代謝の大半を占める臓器です。筋肉が減ることにより、インスリン感受性の悪化が起き、糖尿病のリスクになるという論文を2つほど紹介します。
一つは、日本の文献。 早稲田大学時代の真田先生の論文です。もひとつは、一時期オープンアクセスでIF4点台を叩き出し話題になった、PLoS ONEの文献です。これらの論文中で、サルコペニアとHbA1C上昇、耐糖能低下の関連を報告しています。
真田先生の論文のさらに重要な点は、初めてサルコペニアの診断基準となる筋量の値を示したことです。Baumgartnerの基準に従い、18歳から40歳の健常な日本人男女529名の平均値の-2SDから算出された値を基に,補正四肢筋量ASMI(appendicular skeletal mass index)が女性で5.46kg/m2以下,男性で6.87kg/m2以下をサルコペニアありとしています。
サルコペニア肥満がより糖尿病の危険を高めるとする報告もあります。
参考文献:
Sanada K, Miyachi M, Tanimoto M, Yamamoto K, Murakami H, Okumura S, Gando Y, Suzuki K, Tabata I, Higuchi M(2010):A cross-sectional study of sarcopenia in Japanese men and women: reference values and association with cardiovascular risk factors.Eur J Appl Physiol,
Srikanthan P, Hevener AL, Karlamangla AS(2010):Sarcopenia Exacerbates Obesity-Associated Insulin Resistance and Dysglycemia: Findings from the National Health and Nutrition Examination Survey III.PLoS ONE 5, e10805,
2013-08-01